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【対談・考察】

32岩手県 - 03 .jpeg

🍎林檎

+act 2018年7月号掲載 【浄法寺漆を探して滴生舎へ】

~継承の難解さに心を掻かれた~

Yokoharuma様 お待たせしました。

「第31回全国高等学校文芸コンクール」小説部門 最優秀賞・文科大臣賞

うるわしの里 岩手県立盛岡第三高等学校三年(当時)
佐藤 薫乃さんの小説より一部抜粋

『漆の木の腹に、その命に傷がつけられた事実が残酷なほどはっきりと光っていた。傷跡からじわりじわりと琥珀色の液体が染み出てくる。むき出しになった漆の塊のようでもあり、純白の傷跡に溜まる重たい涙のようでもあった。漆だ。傷をかばおうと一生懸命にじむ樹液はしかし、一瞬にしてへらで掻き取られる。正真正銘の命の滴がまた一滴、タカッポに落ちる。なぜか泣きそうになっていた。生命が二つ、生きている。職人が、そして向かい合った漆の木が、それぞれにそのすべてをかけて生きている。恐ろしいほど繊細で、優しくて、生命力に溢れた空間だった。職人が漆の木に傷をつけて漆が樹液をうみ、そして職人が琥珀色の命をさっと掻き取る、この一瞬に、魂を揺さぶるほどの感動が詰まっていた。

命は、本当に一瞬だった。だけどその小さな琥珀の滴は、命が溶けた漆の樹液は、切ないくらいに輝いていた。かけがえのない生命を純なままにめいっぱい込めて、艶やかに光りながら生きていた。』 滴生舎 | うるしの國・浄法寺 小説「うるわしの里」

上記の小説は、リンクを貼りましたのでご覧ください。また、このサイト内に動画があります。そちらをご覧頂くと、漆掻き職人さんと漆塗り職人の仕事が一目瞭然です。

春馬さんのお陰で、漆についての知識が増えました。

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取材地は、春馬さんが選んだ漆の産地である、岩手県二戸市浄法寺町。

春馬さんが取材した方は、塗り師の小田島勇さん。

西欧で古くから、陶磁器がチャイナと呼ばれ、漆器はジャパンと呼ばれた日本を代表する工芸品。

★経年美化

2018年5月10日放送:大島忠智さんと行く北欧ビンテージ家具を探す旅で、大島さんが経年美化という言葉を使われたのでは?

『もっと!世界はほしいモノにあふれてる』KADOKAWA出版のP.38に書かれていました。

NHKテレビ番組でMCを務めた「世界は欲しいモノにあふれてる」で、滴生舎で買い求めた漆器を春馬さんが綺麗な手で愛でる様子は記憶に新しいですよね。

この折に語られた経年美化という言葉がとても素敵で印象的でしたね。

-column-でも、実に春馬さんらしい、木を擬人化する優しく温かなお人柄が感じられる言葉を残していますね。

『漆の木を血液に喩え、漆の木が自らの命と引き換えに、漆器という新しい命となる。』

そして、芝居と漆の木を重ねて語る部分に、春馬さんの繊細かつ鋭い感性を感じます。

嫌われ者(かぶれやすいから)の木から伝統工芸品が生まれる。自身の身を削って、体や心を使って表現することで、漆器のような伝統芸能の域に達すると言われるようになれたらいいなあと。拡大解釈しましたが、そんな意味が含まれていたのでは?と思いました。

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「撮影で東北に来ています。久々の雪景色を堪能したいます。雪がはらはら降る音に癒されますね。それにしても凍える…皆様も年越し前に体調を崩さないようにお気を付けてお過ごしくださいませ。春馬🐎」

2017年12月12日とありますので、服装から判断して、岩手県の取材日だと思われますね。

+act. waniact Instagram 

連載「日本製」未公開カット

以下は、滴生舎さんのブログより

2020.07.19 三浦春馬様
昨日突然入ってきた訃報。何が起こっているのかわかりませんでした。信じたくありません。全国の伝統工芸品を紹介する連載で、3年前に浄法寺まで来てくださいました。

熱心に私たちの話を聞いてくれて、漆について学ぶ姿に感激したのを覚えています。

ご自身のインスタグラムに滴生舎の角椀と匙を載せてくれたのが、ついこの間。

浄法寺の漆器をたくさんの方に知ってもらうキッカケを作っていただきました。コロナ禍の中で、私たち含めたくさんの方が困っている状況を思って力になってくれたと思うと、とても思いやりのある優しい方だということがわかりますね。

いつかまたお会い出来たら、お礼が言いたいと思っていたのに…。

恩返しもできないままですが、あなたが、私たちの作った漆器を愛用してくださっていたこと、忘れません。三浦春馬さん、本当にありがとうございました。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

滴生舎一同より。

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このブログを見つけ、胸が締め付けられるようでした。

🐎👠Yokoharuma

林檎様

ありがとうございます。泣けて泣けてしかたがありません。

『日本製』を手にした時、一番に岩手県を読んだはず。今、また読み返しました。

林檎さんの文章を読んで読み返したら、サラリと読んでいたのが、深くズシンと心に響いて来ました。

春馬さんが役者にかけた彼の人生も、確かに血の滲み出る努力であったらろうと、今一度心に沁みます。泣けてどうしようもありません。

どうやって浄法寺を知ったのでしょう。二戸市内から、山の方へと申しましょうか、あんな僻地までよく訪ねてくださいました。あ、いや、僻地ではないですが、市内からは離れています。

感謝、感謝!! 感謝しかありません。盛岡三高の佐藤さんの小説は、初めて知りました。

ありがとうございます。何度も言いたいです。ホントにホントにありがとうございます。

🍎林檎

Yokoharuma様

私も『日本製』が東北地方になってから、なんだか感傷的な話が増えて来ていると思いながら感想を書いています。

そして、日本の伝統工芸の素晴らしさを、こんなにも深く考えたり感じたりした事は、今まで有りませんでした。ガイド役の春馬さんのお陰ですね。Yokoharumaさん、岩手県は、宮沢賢治さんの故郷でもありますね。素敵な場所ですね。

『銀河鉄道の夜』の終着駅・サウザンクロス(南十字星)をモチーフにしており、闇の中でぼんやりと浮かび上がる十字架の明かりは、ため息が出るほど幻想的です。

🕊💖希望

林檎様、yokoharuma様、皆様

岩手県の浄法寺漆の滴生舎さんの感想を有り難うございます。岩手県は、yokoharumaさんの故郷ですね!番組内で、お椀を紹介してくれた春馬さんの嬉しそうな顔が、昨日の事のように思い出されますね。

日本に流通している国産の漆は僅か3%!何という希少価値なのでしょうか。やはり日本の漆は素晴らしいとの事。

世界遺産なる物の修復には今後は国産漆のみが使われるという事を読んで安心しました。

滴生舎さんのホームページで、度々都内の百貨店でも販売会をされている事を知りました。

次の機会には訪れてみたいと思います。春馬さんが使われていたお椀が欲しいです。

滴生舎さんブログ内の春馬さん追悼文では信じられない!という衝撃の想いが伝わってきました。

会った事もない私でさえ、春馬さんからは生きる希望がみなぎっていましたから、お会いした職人の皆様なら、尚更そう感じた事でしょう。

岩手の素晴らしい伝統文化の漆を全国に発信してくれた春馬さんに、感謝と恩返しがしたいと仰ってましたね。いわて漆物語「はじまりの森」をご覧ください。

★以前のURLは現在視聴できませんでしたので、岩手県のホームページ内にあるものと差し替えています。(2023.5.26)

現在は、QRコードで読み取り、更にアプリをダウンロードして観ることが出来るようになっているようです。

🍎林檎

希望様 皆様

いわて漆物語「はじまりの森」を拝見しました。(2021年に以前のものを拝見)

とっても見応えがありました。

〝感覚と科学〟という動画で、漆の特徴を紹介していましたが、正に万能ですね。

【漆の特徴】

酸・アルカリ・塩分・アルコールに強く、耐水性・耐熱性・防腐性・抗菌性に優れている。

希望さんも触れていましたが、2018年に文化庁が、国宝・重要文化財の補修には、国産の漆を使うことに決定と発表したとの事。(実に素晴らしい)

岩手の漆関係者の皆さんが、身が引き締まる思いと話されていました。

また、中国・重慶市の漆掻き職人さんは、「養生掻き」と言って、木を残す方法。

一方、日本・岩手県の漆掻き職人さんは、「殺し掻き」と言って、全てを掻き終えた木は伐採する方法。大変興味深い動画でした。

更に、イギリスのV&A(ヴィクトリア&アルバート)博物館の日本の漆コレクションの多さには驚きを隠せませんでした。

16~17世紀のイエズス会の書簡に残る、日本の漆器の素晴らしさに(鏡のような光沢)日本人の職人の技術の高さを感じることができ、誇らしくなりました。

また、〝マザランチェスト〟が素晴らしい!(マザランチェストは日本から輸出された漆器の中で最も有名なもののひとつで、付属の鍵にマザラン公爵家の紋章があったためこう呼ばれる。)図柄に源氏物語などが描かれている。

最後に、お気に入りの漆器に〝一目ぼれ〟した若い女性が、普段使いから職場にまで持参している動画に、春馬さんの姿と重ねてしまいました。

『日本製』を紐解いていくと、実に勉強になりますね。

希望さん、有難うございました。

🍓strawberry

林檎様、希望様、皆様

岩手県[浄法寺漆を探して滴生舎へ]の感想をありがとうございます。

漆は、私が中学の時に、「漆器部」という部活動があったことを思い出しました。私の担任が確か顧問をしていたと思います。私も少し見学をした記憶があります。

漆はかぶれるという事は聞いたことはありますが、当時は漆について色々な知識はありませんでした。春馬さんの『日本製』で漆について学ぶことが出来ました。

林檎さんや希望さんに紹介して頂いたサイトを拝見しました。漆掻きや漆塗りについてとても分かりやすかったです。

漆についての歴史なども分かり、ヨーロッパの文化にも影響を与えたことを知りとても興味深かったです。

浄法寺塗りのある動画に最大の障害は、埃であるとのことです。二重扉にした上塗り専用の部屋があり、作業を行います。作業中は、埃が入らないように動きが制限されて迅速に行われます。

漆を塗る刷毛は、人の髪の毛が使われています。直毛の女性の髪の毛は程よい弾力で塗りやすく最適です。

中でも、海に潜って海産物を取る海女さんの髪の毛はミネラル分を多く含み、最適な刷毛に仕上がります。人毛が使われていることを初めて知り興味深かったです。

浄法寺塗りは、様々な人達によって出来上がる素晴らしい工芸品なので、伝統を守っていって欲しいですね。

春馬さんが愛用していた浄法寺塗りを私も使ってみたいです。

使うほどに光沢が出るのですね。経年美化を感じてみたいです。

-column-で、春馬さんが、「ウルシって、なんて神秘的で奥深く、切ない木なんだろうと思うし、自分もこの身を削る・・・と言ったら美化し過ぎかもしれませんが、体や心を使って表現することで、そんな風になれたらと思わずにはいられません。」とあります。

春馬さんの想いが伝わり、漆と春馬さんが重なり泣けてきます。滴生舎さんのブログを久しぶりに読みましたが、やはり色々な想いが込み上げてきて泣けてきます。

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裏・日本製での春馬さんは、パーキングエリアで美味しい物をたくさん食べる様子があり、ほっこりしますね。

岩手は、宮沢賢治さんが有名ですね。

宮沢賢治童話村のライトアップが素敵なので動画を紹介させて頂きます。

とても幻想的で素敵です。とても癒されました。ぜひ、見にいきたいです。

こちらよりご覧ください。

🍎林檎

strawberry様 皆様

strawberryさんの中学の時に漆器部という部活があったのですね。

さすが、三重県ですね。中学でそのような部活があること自体、土地柄に歴史と伝統が感じられますね。

宮沢賢治童話村のライトアップが、本当に素敵ですね。

自然と一体となった幻想的な様子は、正に宮沢賢治さんの世界観そのものですね。

実物はさぞ美しいのでしょうね。

ほっこり、癒されました。有難うございました。

次回訪問先は、青森県

祭りを支えるねぶた師 です。

お楽しみに。

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